2014年2月16日日曜日

【雑記】「ありえる」なのか「ありうる」なのか

先日、同僚の講師の先生に「あれ?ありうるだっけ、ありえるだっけ?」と聞かれた。
「ありうるでOKです」と何となく濁したのだけど・・・


さて、これは漢字表記すると「有り得る」となる。

問題は「得る」の活用ですな。


これは文語表現ではア行下二段活用の動詞で、

未然形  え  ― ズ
連用形  え  ― タリ
終止形  う   ― 。
連体形  うる ― トキ
已然形  うれ ― ドモ
命令形  えよ ― 。

と活用する。
この活用表の連体形に「うる」がある。


《引用》
『ア行下二段活用の「有り得(う)」の連体形が終止形として用いられるようになり
そのまま変則的に残ったもの。』
(旺文社 国語辞典 第九版より)

『文語下二段活用の動詞「ありう」の連体形が終止形として用いられ固定したもの。
通常の口語では下一段活用で「ありえる」となるべきもの』
(第二版 新潮国語辞典 現代語・古語 新潮社版より)


このように、上記二つの辞書では説明している。
が、新潮国語辞典にあるように現代では『下一段活用で「ありえる」となるべきもの』なんだよね。

下二段活用は、口語表現では全て下一段活用となって、

未然形  え  ― ない
連用形  え  ― ます
終止形  える  ― 。
連体形  える ― トキ
已然形  えれ ― ドモ
命令形  えよ ― 。

と活用する。
この終止形「える」が現代で使うべき表現なのではないのか。
と考えてもおかしくないよなー。

なのに、どの辞書にも「ありえる」では掲載が見られない。
本校にあった辞書に一つだけ載っていたのだけど、辞書が古すぎて信憑性に欠ける。
(小学館の辞書だったかな?今度しっかり見て掲載します。)
※「新解国語辞典 大石初太郎編 小学館」のことを言っていたのですが、大変申し訳ない、
 読み直したところ「ありえる」「ありうる」どちらも載っておらず、「ありえない」という表現のみ
記載がありました。昭和五十七年第二版のものであり、特殊なことに変わりはないですが、
間違った情報を掲載してしまいました。申し訳ありません。


《引用》
『文語形「有りう」とその口語形「有りえる」との混交』
(新明解国語辞典 第五版 三省堂より)

このように説明する辞書もあった。


まとめると、
「有り得る」は文語の「有り得(う)」の連体形が終止形として用いられるようになった説と
文語の「有り得(う)」と口語の「有り得(え)る」が混交して用いられている説があるようだ。

どちらにせよ「ありえる」と読ませることは現時点では「誤用」となるのでしない方が良さそう。
今後、「ありえる」という言葉が広まり、広辞苑なんかにも乗るようになるかもしれない。

言葉は常に変化している。
それが良いことか悪いことかを考えることは、大切なように思う。
「どっちでもいいじゃん」ではなく、ふとした疑問を逃さず調べる心がけもまた、学力向上につながる。

日々、考えることをやめずに生活したいものですなー。

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